2018年度(2018年4月-2019年3月)に比較して2019年度(2019年3月-2020年4月)に営業利益率の変化が大きかった業種分析
異常値の処理を実施して、それぞれの業種から企業の決算資料を見て何が起こったかを調査。
スミルノフ・グラブス検定で異常値を取り除いた結果:ー
対象者数:2057社→1860社 △197社
売上の増減金額:△14兆円 → △11兆円 +3兆円
営業利益の増減金額:△13兆円 → △12兆円 +1兆円
■プラスであった業種
*パルプ・紙
販売価格見直しによる増益。
20%程度値上げした様子。
印刷用の紙は激減しているが、EC向けの段ボールの需要が大きく伸びている。
*その他製品
いろいろな業種が入っているので今回は対象外。
*医薬品
薬価見直しが結構大きなインパクトがあったようであるが、新薬が市場を引っ張った様子で全体市場は拡大。
稼ぎ頭の薬の寿命が尽きたときに、次の稼ぎ頭がないと大幅減益になる激しい開発競争がある世界。
基本的に営業利益率の高い。
*建設業
大きく土木と建築で分けられる。
土木は主に公共投資。
建設は民間の住居とそれ以外(倉庫、工場等)
2019年度は両方とも底堅い需要があった様子。
2020年度はコロナの影響が出る様子。
■マイナスであった業種
*石油・石炭
社会情勢で価格がジェットコースターのようにアップ・ダウン。
特に期末に価格が大幅に下がったので在庫の評価損が大きく結果的に赤字。
それにしても石油販売の利益率の低さがすごい。
生き残りをかけて企業合併が起こっているのが理解出来る。
*陸運業
海運業の企業の集まり、この業界も価格のアップダウンが激しいようで、今回はマイナス方向に働いた様子。
世界経済の好不況をもろに受ける感じ。
*鉄鋼
需要(単価)の低迷、原料価格の高止まり。
高度成長期には花形だった石油・石炭、陸運、鉄鋼が苦しい状況に置かれている。
コモディティ化が進んでいるので差別化が難しいくなっているのでしょうか。
ただ、この業種は日本経済の屋台骨を支えているので復活を期待したいです。
■今回分かったこと
*企業の決算資料を読むのは時間がかかる。
業種動向を知るための別の手を考える。
(いろいろな情報が書いてあるので楽しいのですが。)
*IFRSの営業利益を元に順位付けをしたが、IFRSは特損を含んだ営業利益なので、業種としてお金を稼ぐ力を見るには、営業利益から特損を除外したほうが良いと感じたので集計方法を修正する。
*Rはデータ分析に向いているということ。
データの見方を変える等が簡単に出来る。
(=痒い所に手が届く)
■次やること
*ニュース記事の収集と分類・分析
*データ集計・評価方法の修正
*引き続き年度単位で業種動向の分析