Book "明日をどこまで計算できるか?”
日々、モデルを作成して色々な予測をやってみたり、他の人がやった結果を見ていると世の中で予測できないことは無いんじゃないかと勝手に思う時がたびたびありますが、”本当のところはどうなのよ。”と思って読んでみました。
誰もが気にする3つのこと”天気を予測する”、”遺伝子から病気を予測する”、”経済を予測する”について検証しています。
人を月まで、宇宙船を火星までおくれる時代に生きる我々は決定論的科学主義にどっぷり浸っているので”科学で不可能はことはない。”と思い込んでいるところがありますが、ところがどっこい”自然はそんなに単純ではありません。”ということを思い出させてくれる一冊です。
予測の歴史も興味深く読めます。始まりは神殿の奥に住まう巫女のお告げに始まり、ピタゴラスに始まる歴史に名を残す哲学者・数学者(これまでは名前は知っているがどんな人たちかは知りませんでした。皆が聖人君主からは程遠い人たちのようです。)たちが何百年もかかって一つ一つ発見した法則や定理をコツコツと積み上げて今があり、今後も誰かが新しい発見があれば出来なかったことができる可能性もあります。
みんな明日なにが起こるか知りたいようです。
前置きが長くなりましたが、結果からいうと今のところ”3つとも正しく予測することはできません。”となります。作者はその原因は”不確かさ”が存在するからだと言っています。”不確かさ”については本をお読みください。
少なくとも天気を予測するのは出来ているという方がいるかもしれませんが、遠い未来(ちょっと先の未来でも良い)の天気は当たりません。
”未来は過去に似るという思い込みの罠に陥っている”いう作者の言葉が印象に残りました。(過去と今を比較してその時なかったもの(スマートフォン、SNS、YouTube,etc.)で今あるものがその時に将来出現すると予測されていたでしょうか。
世の中は連続ではなく不連続なんです。
気分転換にいかがでしょうか。予測がうまくいかないことの自分への言い訳にいいかも??